理事長挨拶

特定非営利活動法人日本レーザー医学会 理事長挨拶


特定非営利活動法人
日本レーザー医学会
理事長 中村哲也

-安全で効果的なレーザー医療を目指して-

 2022年10月14日に開催された第43回日本レーザー医学会総会における定例理事会において、日本レーザー医学会理事長二期目を拝命いたしました。大変光栄であるとともに、誠に身の引き締まる思いです。

 最初に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により亡くなられた方々、ご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。また、現在も闘病中の患者さん、対応する医療従事者すべての皆様に心よりお見舞い申し上げます。日本レーザー医学会会員の皆様におかれましても、COVID-19により、診療や学術・教育活動だけでなく、日常生活にも計り知れない影響を受けられていることと思います。今回の感染症により、これまでの人間生活における行動常識が根底から覆り、行動の変更を余儀なくされ多くの自由が奪われました。日本だけでなくCOVID-19によって世界中が影響を受けて、人間生活そのものが激変しています。医療を取り巻く環境も、これまで以上に厳しい状況になると推測されます。この激変する時代の中で、皆様のご支援をいただきながら、引き続きより安全で効果的なレーザー医療を目ざしていく所存です。

 レーザー(LASER)とは、Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(誘導放出による光増幅放射)の頭字語で、20世紀最大の発明のひとつと言われています。そして、医学だけでなく人間生活の多方面で活用されています。身近なものではCDやDVD、レーザーポインター、高速大容量インターネット通信に必要不可欠な光ファイバー通信などがあげられます。一方、ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で、レーザー兵器開発やレーザー核融合研究が加速するなど憂慮すべき状況も出現しています。どのような理由があっても、レーザーや核技術を戦争へ利用することに断固として反対いたします。

 日本レーザー医学会は、レーザーに関する医学、生物学及び工学における研究と技術の向上のため、医学と医療の発展および学術交流を図り、社会に貢献することを目的としています。そのため日本の学会で唯一、レーザーに関する安全教育講習を行っています。当学会が認定するレーザー専門医は、広告可能な医師の専門性に関する資格名のひとつです。レーザー専門医は、基本領域学会(内科、外科、産婦人科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、形成外科、麻酔科、整形外科、脳神経外科)の専門医を取得した当学会の臨床系正会員が安全教育講習会を受講し、専門医に合格することを必要条件にしています。つまり、レーザー専門医は、臨床系基本領域学会の専門医がレーザーに関する十分な知識(レーザーとその生体作用、治療の原理、臨床現場における正しい管理法と使用法など)を持ち、より精度の高い安全なレーザー医療を提供できる臨床医です。全国の病院のレーザー外来において、主に形成外科および皮膚科領域のレーザー専門医が多数活躍しています。専門医制度は大きく変化している最中ですが、日本国民の皆様に安全で効果的なレーザー医療を提供することを第一の目標に掲げて、その対応に尽力していきます。

 レーザー医学領域において解決すべき問題は山積されていますが、副理事長、理事、評議員、会員の皆様と力を合わせて最良の方向性を探り、迅速かつ柔軟に対応するために全力で取り組み、理事長としての職責を果たしたいと思います。今後共ご支援、ご鞭撻の程、どうかよろしくお願い申し上げます。

<略 歴>

1982年 神戸大学医学部卒業

1983年 兵庫県立病院がんセンター内科 

1984年 兵庫県立成人病センター内科

1989年 神戸大学大学院医学研究科博士課程修了

1989年 神戸大学医学部附属病院医員(旧第二内科)

1990年 医療法人江尻病院内科医長

1991年 医療法人江尻病院消化器部長

1992年 国立神戸病院研究検査科長

2001年 獨協医科大学光学医療センター内視鏡部門長・助教授

2007年 獨協医科大学医療情報センター長・獨協医科大学教授

2009年 獨協医科大学大学院医学研究科 内科学(消化器)兼担

2018年 獨協学園姫路医療系高等研究・教育機関開設準備委員会副委員長

2022年 獨協学園姫路医療系高等教育・研究機構 先端医療研究センター長

      現在に至る

<主な資格>

日本内科学会:総合内科専門医・指導医、日本レーザー医学会:永年専門医・永年指導医、日本消化器病学会:専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会:専門医・指導医、日本消化管学会:胃腸科専門医・指導医、日本カプセル内視鏡学会:認定医・指導医、日本医療情報学会:医療情報技師、死体解剖資格(兵庫県)第5688号

通産省(現、経産省)認定情報処理技術者試験「上級システムアドミニストレータ」H2800303

米国臨床化学学会上級会員(FAACC:Fellow of American Association for Clinical Chemistry)

米国消化器病学会上級会員(FACG:Fellow of American College of Gastroenterology)

米国レーザー医学外科学会上級会員(FASLMS:Fellow of the American Society for Laser Medicine and Surgery)

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